【売約済】アバド/メンデルスゾーン:交響曲第4番&第5番【西独盤】

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メンデルスゾーン
①交響曲第4番イ長調作品90≪イタリア≫
②交響曲第5番ニ長調作品107≪宗教改革≫

指揮：クラウディオ・アバド
ロンドン交響楽団
録音：1984年

ロンドン交響楽団とのメンデルスゾーン交響曲全集からの1枚。オーケストラそれぞれの持ち味を損なうことなく、自発性を引き出し、楽曲の自然な流れを最大限に生かしたアバドの指揮により、作品本来の正しい姿を伝える名盤。

アバドが当時の手兵ロンドン交響楽団と取り組んだメンデルスゾーンの交響曲全集は、彼の熟した棒さばきが冴え、全体にすっきりとまとまった快演。アバドは欧米のオーケストラにイタリア的な新風を吹き込んだ指揮者であることは誰しも認めるところ。特にメンデルスゾーンのように天性の平明さを持った屈託のない音楽には理詰めの厚化粧より、むしろ風通しの良いフレッシュな感性と開放感の表出がより適している。そうした意味でこのメンデルスゾーンの交響曲では彼らによって最良の効果が発揮されている演奏だ。少なくともオーケストラの自主性が良く表れていて、ロンドン交響楽団の音色も彼の指揮の下では何時になく明るく軽快に聴こえるのも偶然ではないだろう。しかも彼らが伝統的に持っている凛とした気品は少しも失われていない。アバドは精妙かつ豊麗な、あたたか味ある色合いを表出し、絹のような艶と光沢を帯びた響きの世界を生み出している。

交響曲第４番『イタリア』は彼のアプローチが最大限活かされた曲目で、イタリア出身のアバドが名実共に〝イタリアの風〟を匂わせる。とはいえ、カラリとした空気とは違い、シンフォニックで潤いのある響きと、十全な歌わせ方は濃密なロマンティシズムを漲らせ、アバドがもはやロンドン交響楽団に自らを同化させているのを痛感させる。特に終楽章「サルタレッロ」はイタリア中部の民族舞踏を取り入れた５分余りの短い曲だが、その熱狂的なスピード感と同時に高度に洗練された趣味が聴きどころだ。

玄人好みの第５番『宗教改革』にしても、メンデルスゾーン特有のリリカルだが〝柔な〟オーケストレーションの妙味が際立っているのが心憎い。宗教的な敬虔さとメッセージ性を直截に表わす表現も同様で、メンデルスゾーン音楽の精髄を衝く演奏だ。

輸入盤【西独盤】盤面傷無し

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